ハリウッド・サーティフィケイト ★★

島田荘司 角川書店 ; ISBN:404168207X ; (2003/10)

読み逃し本を文庫版で。というわけで、島田御大の読み逃していた本をさらさらと読もうと思っていたんですが、これがなかなか超難関。情報量が多すぎて、すんなりと読めません(>_<)。ハリウッドの階級社会の光と影なるものを、これでもかと並べ立てて賑わしてはいるんですが、「聖林輪舞―セルロイドアメリカ近代史」以上のものを描けているとは思えませんでした。肝心の物語の方ですが、島田流本格と私立探偵小説の融合を作者は目指したのかもしれないな、と。幻想的な不可能犯罪を捜査的方法(二階堂黎人いわく捜査的小説)で解決しようとしたような気がします。なので、御手洗は出てくるけど解決に絡みません。生命工学の知識を語るだけです。この小説、実は名探偵不在が裏テーマにあるのではないかと。あれだけ名探偵の存在に拘っていた島田荘司がなんと!と、思ってはいるんですが、ラストまで読むと大きな事件の序章みたいなんで、ていうか、序章長すぎ!!