百万遍−青の時代(上・下) ★★★☆

花村萬月 新潮社 ; ISBN:4104467022 ; ISBN:4104467030 (2003/11/15)

読み終えました。相変わらずといえば相変わらずなこの作者。ぐだぐだと理屈をこねて、やりたいことだけをやる、そんな私小説もどきな小説。なのに、引き込まれて、ついつい追いかけてしまう。好きなんだから仕方がないと割り切れればいいのだけど、この作家が好きと表立って言うのも、なにやら恥ずかしい。なるほど、これが自意識なんだと、そんな事をつらつら思い浮かべてしまう。この作者の嘘と現実の綯い交ぜ加減が好きなんだなと分析してみたり、いつのまにか作者の掌に乗ってしまう自分に羞恥したり、まあ、体験する読書といった感じなのかな。と、これだと迎合?