図書館の神様 ★★★☆

瀬尾まいこ マガジンハウス ; ISBN:4838714467 ; (2003/12/18)

ほっこりする物語。どうも最近はこういう感じの暖かい話に弱い。癒されたいのだろうか。こっちのことは置いといても癒されたいと感じている人にはオススメの本。クラブの後輩を間接的に自殺させたかもしれないと思い投げやりな生活を送ってる高校講師の主人公が、文芸部の顧問になり自堕落的な毎日から抜け出す、と書いてしまうとよくあるパターンな話だと思ってしまうが、この小説を読んでほっこりしてしまうのは、主人公が壁を克服するのではなく、積み重なっていく日常を通して自分が自分であることを受け入れるところにある。無理をしないのがすんなり読者の心に入っていくのだろう。脇を固めるキャラクターの配置が巧み。あと、「さぶ」を読み返したくなった。もちろん雑誌じゃない方の。