きわめてよいふうけい―SHORT HOPE ★★★★

ホンマタカシ リトルモア ; ISBN:489815123X ; (2004/06)
きわめてよいふうけい―SHORT HOPE 中平卓馬
中平卓馬という写真家を知ったのは、ホンマタカシの写真集「きわめてよいふうけい―SHORT HOPE」から。岩波書店から刊行されている「日本の写真家」で名前だけは知ってはいましたが、60年代「プロヴォーグ」創刊に立会い、森山大道篠山紀信らとともに時代を挑発し、先鋭的な写真論を武器に戦った写真家で、77年、過度の飲酒により昏倒した後、すべての記憶を失った写真家、という背景はこの写真集で知りました。
記憶を失っても、写真は毎日撮りつづけている。愛用のキャノンニューF−1を携え。
メモ魔である中平卓馬が、愛飲しているショートホープのパッケージに何気なく書いた一言。
「きわめてよいふうけい」。
このエピソードだけでも、中平卓馬を題材にして写真集・映画を作りたかったホンマタカシの想いが伝わってきます。
ただ、映画は本職には追いつきませんでしたね。面白い構図で画面を撮ってはいますが、動きがないので(カメラのファインダーを覗いている感覚のまま)、少し退屈です。実際、劇場でも寝てる人を見かけました。あと、BGMがないのが致命的ですね。それにしても、40分の短編で観客を眠らすというのは、ちょっと…