看守眼 ★★★☆

横山秀夫 新潮社 ; ISBN:4104654019 ; (2004/01/16)

良質な短編集。上手いなぁと思う。「看守眼」のラストエピソードの展開の仕方。本当にこの人は真相がわかってからの結末のつけ方が綺麗。読後、物語が過不足無く完結したという感じが残る。でも、問題はここ。「半落ち」もそうだけど、とにかく綺麗過ぎて、読む側の胸倉を掴むような作品はないんだよなぁ。面白かったという印象は残るんだけど、細かいところまで思い出せないというか。あらすじは覚えていてもエピソードは覚えていないという感じかな。まあ、難癖だけどね。今のエンターテイメント小説家で、これだけのアベレージ(しかも多作!)を保っている作家は横山秀夫しかいないということで、更なる高みを期待してるんですよ。とりあえず器用貧乏には、ならないで!