メシアの処方箋 ★★★☆

機本伸司 角川春樹事務所 ; ISBN:4758410259 ; (2003/12)

遺伝工学による救世主の精製の物語。中世のホムンクルスは、現代(設定は2028年だけど)ならこうなる?みたいな物語。とにかく救世主の造詣がアレなのには驚いた。気持ち悪いけど納得もできる。上手い設定。前半は遺伝工学の薀蓄、後半は救世主を巡る攻防、と贅沢な作り。ただ、今回も前作同様、主人公は巻き込まれ型の個性の少ない人物。ロータスはある程度作りこんでるけど、その他のキャラクターがここまで薄いのはもったいなさ過ぎるよ。後半の攻防戦のアイデアも凄く良いのに、キャラクターの薄さが緊迫感を無くしてる。要はメリハリの問題。