小説・読書生活 ★★★

関戸克己 国書刊行会 ; ISBN:4336045631 ; (2003/11)

京極夏彦の「京極堂」シリーズに出ている関口巽のモデルになった?人物の遺作小説集。初めは取っ付きづらい小説かなと思ったら、意外と読みやすかった。理知的な幻想小説集。表題作は夢日記のようなエピソードが羅列していくんだけど、途中からミステリー調に変化、ラストは眩暈感を残して終息。うーん、書けば書くほどよくわからなくなっていく。ただ、幻視的風景は、バカバカしくて結構笑える。読者を選ぶといえば選ぶ小説なんだけど、個人的には好きな感じだった。「生きている渦巻き」が竹本健治の作品に似ていて、嫌いじゃないのはその影響があるかもしれない。